Photoshop&illustratorのインク量調整方法

DTPデザインをしていて新聞紙面のデザインを作成することがありました。普段チラシ等を作成する際は、全くと言っていいほど気にしていなかった『インク量』。新聞紙面デザインでは、CMYKのインク量を240%以下や270%以下にしないといけないルールがあり、その基準をクリアするのに四苦八苦しました。その覚え書きとしてそのやり方を説明していきます。

Photoshopのインク量の確認・調整方法

Photoshopのインク量の確認方法

メニューバーの「ウインドウ」内の「情報」を選択し、「情報パネル」を表示させます。
次に、RGBモードになっている場合は、メニューバーの「イメージ」内の「モード」から「CMKYカラー」を選択します。

情報ウィンドウを表示

すると上記のような情報ウィンドウが表示され、計測しいたい位置にカーソルを合わせることで、CMYKの各インク量が数字で表示されるようになります。

 

Photoshopのインク量の調整方法

メニューバーの「編集」から「カラー設定」を開き、

カラー設定を開く

作業用スペースのCMYK部分のプルダウンから「カスタムCMYK」を選択します。

カラー設定でカスタムCMYKを選択

次に「インク総使用量の制限」の値を「240%(又は270%)と数値を入力し、インク使用量に制限をかけることで写真に使われているインク量に制限をかけることができます。

カスタムCMYKの調整

 

色味調整画像の書き出し

さて、ここが一番僕を困らせた部分です。
Photoshopで色味調整を行い、PNGで画像を書き出し、illustratorに読み込んでデザインを仕上げました。が、後述するillustratorでのインク量確認を行うと…
「調整したはずの画像のインク量が増えてるじゃないかーーーーー!!!!!!」
「Photoshopでは240%以下になってるのにーーーーーー!!!!!????」
ここで一旦迷宮入りしました。

個別にカラーマネジメントを弄ってみたりして、Photoshopで更にインク量を減らしても、illustratorに読み込むとそれでもインク量が増えている…なぜ?

で、更に調べたらやっとそれっぽい手がかりが…
「PNGにCMYKという概念はありません。」…なるほど。
恐らくこれが原因でillustratorでのインク量が上がっていたのかも!

Photoshopから「ファイル」内の「別名で保存」から「PDF形式」を選択してローカルに保存。その後illustratorに読み込んでみたところ…完璧に一緒かどうかは分かりませんが、インク量が240%を超えていなかったので、おそらく上手くいったようです。

ただ、弊害としてインク量を制限したり、黒インク量を制限したりすると黒系グラデーションの部分が粗くなり汚くなっている部分がありました。許容範囲と言える状態までPhotoshopで調整するか、写真自体に濃淡の激しいグラデーションが無いものを検討するのが良さそうです。

 

illustratorのインク量の確認・調整方法

illustratorのインク量の確認方法

メニューバーの「ウィンドウ」から「情報」を選択し、「情報パネル」を表示します。その状態で、「スポイトツール」を選択し、計測したい箇所をクリックしてスポイトで色を吸います。

すると、スポイトで吸った部分のCMYKのインク量を確認することができます。

 

illustratorのインク量の調整方法

illustratorでのインク量の調整はできないと考えてもらえれば良いかと思います。基本的にPhotoshopでインク量を調整した写真・画像をPDF形式で書き出し、それをillustratorに読み込んでデザインを作成してください。

 

まとめ

何度か新聞紙面のデザインを作成し、何となく基準をクリアして入稿していましたが、やっと正式?とも言える方法を見つけ出せたのでブログを書きました。Googleで検索しても、ドンピシャで「コレっ!」っていうブログを見つけられなかったので、皆様のお役に立てると幸いです。

<追伸>
新聞デザインの入稿は「N-PDF」という普段使わない独特の形式で入稿する必要があります。各新聞会社により若干詳細は異なるようですが、JAAA(一般社団法人 日本広告業協会)が定めたガイドを参考にデータを作成していただくと良いかと思います。

⇩詳細の書かれたPDFがダウンロード可能です(公式サイト)⇩
新聞広告デジタル制作・送稿ガイド

 

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